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きみを はかる じょうぎは ぼくに そぐわない

 本作品は書下ろしです。また、この作品はフィクションであり、実在する個人・地名・事件・団体等とは一切関係ありません。


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 夜の駅前でバスから降車し、紫乃は周囲を見回した。

 それは、怪しい商売人などに囲まれる気配がしたからではない……単純に、指定された店までの地図と現実の風景との整合をはかっていた。首都やその近郊では前者を警戒する必要性が高いのかもしれないが、こんな地方都市では、方向音痴が我知らず見当違いの区画を彷徨った挙句に迷子となる危険性の方が高い。歓送迎が込み合う時期でもないので、道を尋ねようにも通行人さえいないかもしれないのだ。

(うー。携帯電話に地図あるけど。こんな奥まったとこ、ひとりで行けるかなぁ)

 手の中の小型の液晶画面には、外国語―――の店名だ、それは分かる、まぁそれを公用している国名は定かでないにしても、それでもだ―――と、現地点からそこに至る順路が示されている。ただしその道筋は、中世の怪盗が金庫の鍵穴に突っ込んでかちゃかちゃやるピンを思わせるカクカク具合ときていた。見るだに難問である。さらに夜間とあっては視界も利かないし、その上ひとりきりである。

(まあ、どれもしょうがないんだけどさ)

 紫乃は苦汁を飲んだ。携帯電話を頼りに、大通りから外れる細い裏道を、おっかなびっくり進んでいく。

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 なんか知らんが無駄なことくっちゃべってくれって言われたから、日本のお受験・お授業・お勉強にゃあいらん英語について、不真面目に話すぞ。

 この「わたしも」という表現。
 羽歩(はあゆ)と桜獅郎(おうしろう)―――俺の妹と兄だ―――仕入れの逸話と教科書から判断するに、日本の学校じゃ「Me too.」ってのが「わたしも」の訳語として幅を利かせてる気がする。

 俺に言わせりゃ、そいつはえらく了見が狭い話だ。

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 続きを開くとイメージイラストが展開されます。

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 ふと、暗くなった携帯電話の画面に映り込んだ自分と、目が合う。

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「ジンナイさんは空き箱だから、容量ぱんぱんまで相手の入れたいものを納めては出してくれるし、条件が揃えば鳩だって取り出してみせる。アサキングは広辞苑である以前にキングだから広辞苑っぽくないキングっぷりを発揮してくれんじゃないかな、合コンでは。……だからこそ空き箱にぱっこりハマってくれちゃうのがバレて目ぇつけられちゃうんだっつの。ったくもー、あのキングめぇ」

「最後らへんが不平なのしか分からないんだけど?」

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プロフィール

HN:
DNDD(でぃーえぬでぃーでぃー)
年齢:
17
性別:
非公開
誕生日:
2007/09/09
職業:
自分のHP内に棲息すること
趣味:
つくりもの
自己紹介:
 自分ン家で好きなことやるのもマンネリですから、お外のお宅をお借りしてブログ小説をやっちゃいましょう(お外に出てもインドア派)。

 ※誕生日は、DNDDとして自分が本格的に稼働し始めた日って意味ですので、あしからず。

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