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きみを はかる じょうぎは ぼくに そぐわない

 本作品は書下ろしです。また、この作品はフィクションであり、実在する個人・地名・事件・団体等とは一切関係ありません。


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「女メンバーは、あんたと、華蘭の知り合い三人で、計四人。男メンバーは、あたしの同僚兼趣味友ひとりと、同僚とも趣味友とも違う知り合いひとりと、その知り合いの友達ふたりで、計四人。総勢八人。言ってなかったっけ?」

「初耳だよ。あーでも良かったぁ。ふたりも葦呼の話題ができる人いてくれるんだ。なんて人?」

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(行きたくないなぁ。合コンなんて。今日は、直接な知り合いもいないみたいだし)

 それでも律儀にネックレスの位置を整えずにいられない己の指を恨めしく思いながら、紫乃はゆっくり目をしばたいた。いつもより丹念にマスカラを塗ったせいで、じくじくとした違和感が苛んできてやまない……まあそれは、こんな時間に化粧なんてし直したせいだろうけれど。―――こんな時間。

(いつもだったら、お風呂も終って、お母さんと話しながら夕ご飯食べてる頃だなぁ。お姉ちゃんも、そろそろ帰ってくるかも)

 紫乃は、すぐそこのベッドの上にある鞄から、タッチパネル式の携帯電話を取り上げた。液晶画面に示された時間を見て、ちらと壁向こうにある姉の部屋の気配を探り―――途端、手元のそれが穏やかなグラデーションとメロディを発して、音声着信を告げてきた。そこにある名前は、佐藤葦呼(さとういこ)。旧友と言うよりか、旧知の友だ。とんちじみた言い方だが。

 通話をオンにして、耳に押し当てる。

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 三十分でシャワー。

 三十分で化粧。

 三十分で、昨日から選んでおいた服に着替え、身だしなみを整える。

 三十分で……

(どれも三十分もかかるはず無いって、知ってるのになぁ)

 時報のように予定を刻むのも虚しくなって、彼女―――紫乃(しの)は吐息した。それは、目の前の姿見鏡に映り込んだ自分の顔に一瞬だけモザイクをかけて消えたが、鬱蒼とした気分だけはむしろどこかから吹き込まれたかのように胸奥で濃度を増した気がする。

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「医師法第19条 【医師の応召義務】
 診療に従事する医師は、診察治療の求めがあった場合には、正当な事由がなければ、これを拒んではならない。

 と言う、定めのことだよー。

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 ちょうど酒も飲み干した。本を閉じ、身体を起こす。そのまま麻祈は、ベッドの上であぐらをかいた。サイドボードにある財布のわきにコーヒーカップと携帯電話を置くついで、自分の手首にある時の羅針盤を、再度見やる―――そろそろ身支度を整え始めてもいい頃合いだった。のだが、せめて口に含んだ氷のかけらがなくなるくらいまでは、それをしたくない気分だった。氷片を無くした口蓋に、なお一層の生ぬるさを感じることになると分かっていたとしても。

 案の定、氷はすぐに溶けて消えた。

「……めんどくさ……」

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プロフィール

HN:
DNDD(でぃーえぬでぃーでぃー)
年齢:
17
性別:
非公開
誕生日:
2007/09/09
職業:
自分のHP内に棲息すること
趣味:
つくりもの
自己紹介:
 自分ン家で好きなことやるのもマンネリですから、お外のお宅をお借りしてブログ小説をやっちゃいましょう(お外に出てもインドア派)。

 ※誕生日は、DNDDとして自分が本格的に稼働し始めた日って意味ですので、あしからず。

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