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きみを はかる じょうぎは ぼくに そぐわない

 本作品は書下ろしです。また、この作品はフィクションであり、実在する個人・地名・事件・団体等とは一切関係ありません。


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「ちゅーわけで、どうも、おはこんにちばんわ。ブログ小説限定DNDDです。とりあえず時間帯を網羅することに特化した挨拶を編み出してみたはいいものの、その部分的なパーフェクトと引き換えにほかのすべてが致命傷な気がします。どうしてくれるんですか?」

「まあ、今後日本に浸透するか不透明なことについては暫定1位ってことで、1位って順位に誤魔化されて歓声でもあげてみたらいかがですか。誤魔化されてる間は幸せになれますよ。
 はい、分裂してみました。よそ様のとこ(ニコニコ動画)ではおなじみです。ブログ小説限定DNDDです」


「そんなこんなで『きみをはかるじょうぎはぼくにそぐわない』ブログ小説ver、お楽しみ戴いておりますでしょうか? ブログの(ほぼ)毎日更新は、ここでいったん一段落。一応、中巻・下巻と続く予定ではおりますが、やっぱライトノベルって体裁を踏むなら、あとがきを入れなきゃなあとのことで、こうしてあとに書いてます」

「ブログ小説限定あとがきってことで、本家「はんじゅくあきない『へびそくそく』」では割と本心から悪ふざけを堪能している今日この頃、まあ真面目に今回の企画について言及してみようかと思うわけですよ。もう限定される部位が真面目なパーツしか残されてないってアホ丸出しな生き方もどうかしてるんじゃないかとツッコみたい皆さんの胸中はお察しします。ええ。察するだけです。衝動くらい自分でどうにかするとよろしいですよ。へへーん」

「なんだ貴様、頭(ず)が高いぞ」

「ミリ単位まで同じです。あんたと」

「(シカト)ブログ小説をやってみようというきっかけを得たのは、本当に偶然だったんですよねー」

「(シカト返し)そーです。ウェブで、物書きさんに100の質問、みたいなインタビュー集を見つけて。
 へー。こりゃ、自己分析の一環としてやってみるのもアリだなと、ちまちま答えていってみたところ、「小説で苦手なジャンルはありますか? また、そう思うのは何故ですか?」といった主旨の項目に行き当たり……」


「はて。そんなもんあったっけか? 洋書も和書も、紙芝居から神話まで雑食だぞ。と思うわけですが。
 思い返すと、ひとつあったんですよね。それが、ブログ小説」 

「そーいやそうだ。好きこのんで読まんわ。このジャンル。……と、意外な発見で。でもって、それはどうしてなのか? 考えてみると、以下羅列」

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. 局所にタオルを巻く余力も無かった。とにかくこの棺桶の蓋向こうにある健やかな空気を吸いたくて、麻祈は壁際に蹲ったままドアを開けた。無人のはずの廊下に佐藤がいた。偶然だった。彼女は、地下の職員食堂の自販機にしか置いていないクリーミィ甘酒(きなこ餅入り)とかいう缶飲料を買いに通りすがっただけらしい。後日、そう聞いた。

 彼女の鳩が豆鉄砲を食らったような面構えは、赤らめられることも顰められることもなく有能な女医へと変貌を遂げ、急患を診察した。だけで終わってくれたら良かったのにと思う。それを思う。本心からかは、自分にも分からないけれど。この世話焼き、という佐藤への決まり文句は、確かにこの時しばらくしてから始まってしまったのだから。

.

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. 麻祈と違い、ちょこまかと動き続けていた。ビニール袋に料理を包んで、箸をテーブルに戻す。最後にその袋と鞄を両手に提げて、席から立ち上がりながら、問うてきた。とんでもなく明快な摩訶不思議を。

「およ? その話、喧嘩でもしてからまた考えよって、あん時に決着ついたじゃん。忘れたの?」

「……忘れてたかも」

「する? 今から」

 佐藤に道を空けるため、麻祈は半歩ほど横へずれた。それを切っ掛けに、現世(うつしよ)を取り戻す。髪をかきながら、嘆息するしかない。

「……三つ巴のチャンバラを目前に、お前とまで喧嘩? 寝言ぬかすな(No drivelling.)っての。したことないから、俺らにとってどういった状態を喧嘩と定義するのかとか、そこらへんの仮説検討から手をつける必要があるし」

「あー。そうだったね。あたしこそ忘れてた。それ。なら、そっちはまた次の機会にってことで」

「そうだな……そうなるな」

 それで、お開きだった。

.

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「ヨダレついてるか分かんねぇ残飯をあっため直して食うなんて、暖衣飽食な日本くんだりまで来てやることでもないだろ」

「うへーキング的。しかし平民にゃもったいない。ちょーだいな」

 目が点になる。

 麻祈は立ちんぼで、席についたままの佐藤を見ているしかなかった。

 彼女は至極無邪気に、せりふ通りに包み隠さぬ動作で、麻祈の分の容器へと麻祈が残したものを没収していく。ブラウン過ぎるうま塩ナンコツ揚げ。背骨からボッキリいっているポテト三種盛り。味わえるのがドレッシングくらいのシーザーサラダ。噛まずに呑み下すのが相応しい茄子の中華餡かけは、持ち上げた皿を斜めにして汁気の一滴まで攫っていく。実際、箸先で残らずこそぎ取った。感嘆の手際だった。

 遅れて、彼女が付言する。

.

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. 受け取ったぺらいプラスチック容器をぺこぺこさせながら、佐藤が喋る片手間に明日の弁当を詰めていくのを、興味なく惰性で眺める。きれいな箸の持ち方をしていると箸捌きもきれいなんだなと、なんとなく新たな発見を胸奥で転がしながら。

 佐藤が皿軍団の残存兵半分をみっつの容器に収容するのを見届けて、麻祈は席を立った。本を包むようにしたシャツを脇に挟んで、肩を竦める。

「終わったんだし、行くべ行くべ(The party is over. Vamos,vamos.)。ほら。送っていくから。それともタクシー呼ぶか?」

「え? アサキング、ちっとも持って帰らないの? これ全部いらないの?」

「俺の地元じゃあるまいに」

.

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カテゴリー

プロフィール

HN:
DNDD(でぃーえぬでぃーでぃー)
年齢:
17
性別:
非公開
誕生日:
2007/09/09
職業:
自分のHP内に棲息すること
趣味:
つくりもの
自己紹介:
 自分ン家で好きなことやるのもマンネリですから、お外のお宅をお借りしてブログ小説をやっちゃいましょう(お外に出てもインドア派)。

 ※誕生日は、DNDDとして自分が本格的に稼働し始めた日って意味ですので、あしからず。

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