. 麻祈は、日本の若い女とは、毛皮のコートよりナマ肌を着飾りたがる生き物なのだと理解していた―――だからこそ、寒い寒いと訴えるにもかかわらず、ミニスカートの足はあんなにも威風堂々と街を闊歩して行くのだろう、と。それゆえ、おおよその生傷が癒えた妹が出国の日、高校の制服を禁欲的に着こなしていたことに度肝を抜かれた。そんな次兄へ、彼女は破顔する。そして言う。
「ざまあみろ」
数日以上、魘(うな)された。
もう随分と前のことなのに、あの時の光景は網膜に焼きついて離れない。だからこそ、麻祈は思う。ゆっきーな(これぞ自称)を目の前に、心底それを思う。
(似てねー)
待ち合わせたショッピングモール内にあるフードコートにて、円テーブルを挟んで向かいに腰掛けている小杉―――は苗字であり、名が由紀那―――を観察し終え、麻祈はこっそりとひとりごちた。
似ていない。どこもかしこも似ていない。“ゆゆ”のイメージなどメールを重ねていくうちにすっかり淘汰されていると思っていたが、ここまでまったくカケラも似ていないとなると、逆に実妹との共通点を探そうとする自分がいる。にしても、
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