「あわわ―――
って。およ?」
「っと(Whoops)
―――って、佐藤じゃん。よっす。お疲れ」
「お疲れー。
なに? あんたも今日、昼は買い食い? んまいのあった?」
「あったかも知れんけど探してない」
「およ? じゃあなにを目安に、その高菜おにぎりと梅しそ野菜サラダを選んだわけ?」
「大きさと油脂量。腹八分目で胃もたれしない。
食えりゃなんでもいい時は、購買のこれで充分」
「食える嫌いなアサキングらしいねー」
「? 食える嫌い? 食わず嫌いじゃなくて?」
「そ。嫌いだけど食えるって食べ物が多い奴だねってこと。
あんたのことだから、逆に、食わず嫌いなモノなんてないんじゃないの?」
「あるぞ」
「あんの? なに?」
「ぽか○すえっと」
「へー。どこが嫌う要素?」
「むしろ嫌う要素なく受け入れてる連中が幸せだと思うぞ」
「と言いますと?」
「○かりすえっと。英語舌できちんと言うなら、P○cari sweat. 直訳すると
『ポカリさん汗ばむ』だぞ。
いや、商品として考えるなら名詞だから
『ポカリさんの汗』だ。ンなもん飲めるか。断固として断る。
さらには、訊いたところ、薄甘い味らしいじゃないか。汗なのに甘いとか。もうポカリさんは
人ですらない。異生物の汗を飲むとか、無理。絶対無理」
「ああ、まー和製英語に近い事故だよねぇ」
「これだから日本で『スプラッタ映画って見てらんねえよなぁ』って話振られて『え? 見てるだけで楽しいでしょう? splatterなんて』って答えちゃってドン引きされるんだよ
俺が! 俺の頭ン中では、水を跳ね散らかして遊びまくるワンダフルムービーってイメージしかなかったんだよsplatter映画って言われたらよ! どうして血煙限定なんだよ日本の splatter は! そしてなんで splash は水限定!? 英語使うんなら英語として使ってくれよ! めんどくせーなもう!」
「両方とも分かっちゃうあんたが器用貧乏なんだってー。
にしても、食わず嫌いなものあったんだ。へー」
「……そー言うお前はどーなんだよ?」
「あるよ。生卵の白身」
「ふぅん? どこらへんが駄目なんだ?」
「だってあれ
鼻水じゃんか。
見た目も感触も鼻水じゃん。含有量が違うけど、蛋白質なとこも鼻水じゃん。
それ食べるとかヤダい。絶対ヤダい」
「……うへぇ( O yuck, )……たった今から俺までも嫌になっちまったっつーの……」
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