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きみを はかる じょうぎは ぼくに そぐわない

 本作品は書下ろしです。また、この作品はフィクションであり、実在する個人・地名・事件・団体等とは一切関係ありません。


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 仕事帰りらしくスーツを着崩した陣内に彼女らを合わせると、まるでクラブの一角から参上したかのような気風を感じた。実際そういった接客業のノリを思わせるユルい軽妙さで、陣内が問うてくる。

. 「んで、どっちの知り合い? 髙藤(たかとう)さん? それとも佐藤さん?」

「ええと。どっちもです。どちらも友達で。ただ、ここへのお誘いの電話をくれたのは、佐藤です。佐藤葦呼」

「あー。そんな感じする。うんうん。あとの三人は、みんな高ランのクチなんすけどねー」

 と首を縦に振られ、余計な疎外感に、なおのこと憂鬱が募った。彼へ言ったとおり、紫乃は佐藤葦呼とも高藤華蘭とも友人だ。しかし極端な話、前者の売りは知性であり、後者の売りは女性である……つまり、第三者から俯瞰しても後者との類似性に乏しく、さらには頭のレベルでも前者にちっとも及ばない紫乃など、まるきり場違いなのだ。

「佐藤のイコっちには随分お世話様だから、またヨロシク言っといてくれるとサンキュでーす」

「はあ。はい」

 物憂く返事をする紫乃など露知らず、くるりと背を向けた陣内が、そちらにいた女性三人へと声を上げた。

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プロフィール

HN:
DNDD(でぃーえぬでぃーでぃー)
年齢:
17
性別:
非公開
誕生日:
2007/09/09
職業:
自分のHP内に棲息すること
趣味:
つくりもの
自己紹介:
 自分ン家で好きなことやるのもマンネリですから、お外のお宅をお借りしてブログ小説をやっちゃいましょう(お外に出てもインドア派)。

 ※誕生日は、DNDDとして自分が本格的に稼働し始めた日って意味ですので、あしからず。

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