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きみを はかる じょうぎは ぼくに そぐわない

 本作品は書下ろしです。また、この作品はフィクションであり、実在する個人・地名・事件・団体等とは一切関係ありません。


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「なんで知ってんの? しかも名前。苗字じゃなくて」

「苗字は……忘れちゃったから」

「は?」

 それから、きっかり、七秒。

 それが、始まる。

「―――ちょっとちょっとちょっとちょっと! 紫乃がイイカンジの人ってそいつなの!? そうよね名前で呼んでて苗字忘れるとかそーいったアレだよね!! そっちはもうそんな仲なの!? センセーとばしてアサキサンな仲なの!? ええ!?」

 あらん限りの鬼気を焚いた声に、危局を招き入れてしまったことを紫乃が悟った頃には、もう遅かった。華蘭は爆音のような声量で、己の中で構築された設定と脚本と価値判断に準じた怒罵をぶちまけていく。

.
「さいってい!! フタマタじゃん!! いやあぁぁぁあアア最低えエェエ!!」

「さ、」

「騙されてるよ紫乃そのクソ医者にいいようにされてるって! まさかもうヤられてないでしょうね!? 感極まってナマのブツに初夜くれてやってないよねっ!!」

「―――さ―――」

 己の呟きすら、どこか遠く。 

 紫乃は、聞いていた。内側の反響音を。

(さい、てい、なのは―――)

 そして、親友としての義憤に駆られる以上に、思わず手に入れた酸鼻で淫靡な妙味も馨(かぐわ)しい醜聞にときめいて耽溺していく華蘭の興奮を聞いていた。

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プロフィール

HN:
DNDD(でぃーえぬでぃーでぃー)
年齢:
17
性別:
非公開
誕生日:
2007/09/09
職業:
自分のHP内に棲息すること
趣味:
つくりもの
自己紹介:
 自分ン家で好きなことやるのもマンネリですから、お外のお宅をお借りしてブログ小説をやっちゃいましょう(お外に出てもインドア派)。

 ※誕生日は、DNDDとして自分が本格的に稼働し始めた日って意味ですので、あしからず。

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