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きみを はかる じょうぎは ぼくに そぐわない

 本作品は書下ろしです。また、この作品はフィクションであり、実在する個人・地名・事件・団体等とは一切関係ありません。


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「とりあえず、消化管から冷やして肺まで焼こう。ロックいくかロック」

「暑いなら、その長袖まくれば?」

 佐藤が、麻祈のそれを指差した。

 麻祈は片手をオカマラインにして頬へ添えたいつもの道化姿で、やはり哄笑しながら、彼女を常套句にてあしらった。

「おほほほほ。嫌だわオネエサマ。嫁入り前の乙女に素肌をさらしなさいなんて、はしたないコト勧めるもんじゃござぁませんわよ?」

「あんたね」

 ぴしゃりと。

 こめかみを強烈に引っぱたくような叱咤を、佐藤がくれてきた。

「さっきもそうだけど。どーせ明日からもずっとキングるんだから、あたししかいないこんな時までキングらなくたっていーじゃんよ。いくらなんでも食傷だっつの」

.
黙り込む。しかない。なにを言われているのか分からないのだから。そうするしか。

 ただ、脳の理解は及ばずとも、身体的には先程の体温の再燃を痛感していた。

 当然だろう。彼女の目の険しさに誹(そし)りは無いにせよ、鋭い物言いだったから、本能が喧嘩を売られたと察知してしまったのだ。そうに違いない。であればこそ、売られた喧嘩は買わねばなるまい。彼女は陣内ではないのだから。

 麻祈は佐藤を睨めつけながら、勢い良く、シャツの長袖をめくり上げた。左から。次に、右のそれに手をかけて―――

 それを中断し、シャツの腹を掴む。

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プロフィール

HN:
DNDD(でぃーえぬでぃーでぃー)
年齢:
17
性別:
非公開
誕生日:
2007/09/09
職業:
自分のHP内に棲息すること
趣味:
つくりもの
自己紹介:
 自分ン家で好きなことやるのもマンネリですから、お外のお宅をお借りしてブログ小説をやっちゃいましょう(お外に出てもインドア派)。

 ※誕生日は、DNDDとして自分が本格的に稼働し始めた日って意味ですので、あしからず。

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