「であらば、院外ネタに帰ろう。じゃあさ。そうやって日本語の概念として再構築済みなネオワードって、イケメン以外にあんの?」
「そりゃある」
「その代表格は?」
「美女」
「どんな風に覚えてんの?」
「肉体のコンディションを整える等の健康志向と無関係あるいは別格に、最先端のモードに則した最大量のデコレートを頭の天辺から爪先まで施した、うら若き女性のことだ」
「成る程。……まあ、海外の大味の顔立ちに慣れちゃったら、この辺の薄味相手にゃ味音痴でも仕方ないね。ったく。そのグルメ舌と能力の優劣とっかえりゃいいのに。このアサキング」
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「目ン玉ひっこぬいた左右眼窩にタン突っ込むなら佐藤の方がお似合いだ。この二枚舌。ただし二枚目のそれは嘘をつくためでなく、正当なことを正当化するためのそれなので閻魔様ですら抜けず、なおのことややこしい。つまり。この世話焼き」
「舌ちょん切った断面と視神経を縫合(ナート)る猟奇作業ならあんたの方が適任だい。この殺人フェチ。ただし同属への人為的な殺傷現象を多面から思考することそのものの面白さは否定できないし、その“面白い”の意は喜悦(ファニー)でなく興味深々(インタレスティング)なので、変態ではないから貶せない。なので。この殺人フェチ」
「戻ってる。貶し言葉としてマテリアルを宿したくせして、まったく同一の言葉に戻ってる。高等テクきたこれコノヤロー」
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