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きみを はかる じょうぎは ぼくに そぐわない

 本作品は書下ろしです。また、この作品はフィクションであり、実在する個人・地名・事件・団体等とは一切関係ありません。


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「身長もそこそこで、だからこそスタイルがスラッとしてると見栄えするっていうか」

「内輪ではそうかもしれませんが、日本人なんか大陸(そと)じゃ全員ちんちくりんですよ。体重だって、持病があるから肥えると都合が悪いだけで」

「持病?」

 しまった。

 狼狽した視線が、橋元からぶれた。引き攣りかけた表情筋だけは、理知の力で組み伏せる……説き伏せる。問題ない。こんなことに、問題があるとでも? 持病なんて、ある・なしの尺度からしたら、全人類の半数はありってなもんだろう? ―――

 だからこそ、こう答えてしまっていた。

「……はい。股関節が」

「ああ。右。それで歩き方に特徴あるんだ。はいはい」

 迂闊だった。

 ばっと、ずれていた凝視を、橋元に引き戻してしまう。それだって迂闊だったが、仕方なかった。愕然としていたのだから。

 当の橋元は、そんな麻祈を衒いなく見返してくるだけだ。敢えて言うなら世間知らずに世間話をするという先輩風を帯びた横柄さがあるだけで、そしてそれは、今だからそうだというわけでもなかった。初対面の時から、彼のキャラクターは続いている。今更、それを痛感する。
みっともなく、呟きを垂れてしまっていた。糞のように。

「あります、か?」

「うん?」

「その。特徴」

「うん。ちょくちょくね。体調悪いんかなって時に右足からばっかり蹴躓きかけてるし。院内履きにしてるその革靴、後ろから見ると踵の減りに左右差あるから。浅いの? 生まれつき? 男なのに珍しいねぇ。年中ずっと長袖のユニフォームを選んでるのも、持病関係のなにか?」

「―――ですかもね」

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プロフィール

HN:
DNDD(でぃーえぬでぃーでぃー)
年齢:
17
性別:
非公開
誕生日:
2007/09/09
職業:
自分のHP内に棲息すること
趣味:
つくりもの
自己紹介:
 自分ン家で好きなことやるのもマンネリですから、お外のお宅をお借りしてブログ小説をやっちゃいましょう(お外に出てもインドア派)。

 ※誕生日は、DNDDとして自分が本格的に稼働し始めた日って意味ですので、あしからず。

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