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きみを はかる じょうぎは ぼくに そぐわない

 本作品は書下ろしです。また、この作品はフィクションであり、実在する個人・地名・事件・団体等とは一切関係ありません。


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.麻祈用の冷水をコップで運んできた店員が、注文を窺ってきたが、追い払う。佐藤がなにか注文しようとしたのは察していたが、鈍いふりをして黙殺した。

 当然、彼女の刺々しさは鋭利さを増したが、麻祈は意図的にしらばっくれ続けた。のみならず、へらへらと、語りかける。天然というやつだ。適度な馬鹿は憐れまれる―――それを狙っていた。

「え? あの。それ。酒ですよね。実際のところ、イケるクチだったんスか佐藤センセ?」

「ハァ?」

 えもいえぬ横暴さを醸し出す睥睨が、佐藤からの返答だった。

「あんたソレ誰に聞いてんの? こないだ民間から試供品で来たからやってみたアルコール感応検査はレッドカードだっちゅのバカヤロー。色合いでなく意味的に」

「民間って―――あれ遺伝子検査だったろ! お前にゃ飲むだけ毒だってことじゃねえか遺伝子レベルで! なにしてやがるんだ!(What the fuck are you doing!?) ヤベェっての!(Bloody hell!!) めっ! しっしっ!(Shoo!!)」

 血相が変わるせりふ半ばに、麻祈は佐藤から猪口を取り上げていた。あっさりと、それは叶った。佐藤はそちらを囮に、テーブルの徳利そのものをかっ攫ったのだから。

 どころか、三本のうちの一本に噛みつく。

 呷(あお)り出す。

 ラッパ飲みだ。

 あまりの光景に、嚥下に動く首筋を、唖然と見送るしかない。その未熟な喉仏がカワイく上下動すること、一回―――二回―――そして、……

 どん! と徳利をテーブルに叩きつけた。

 親指の付け根で無造作に口角を拭った。

 げっぷをした。

 麻祈へと、泡を飛ばしてきた。

「飲まずに出来うかぁこんな話!」

 極め付けだったのは、その啖呵だ。

 文句そのもののキナ臭さ以上に、そこに漂う酒臭さの濃度に戦慄する。

(医者の分際で、急性アルコール中毒で搬送される気か、この馬鹿―――!)

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プロフィール

HN:
DNDD(でぃーえぬでぃーでぃー)
年齢:
17
性別:
非公開
誕生日:
2007/09/09
職業:
自分のHP内に棲息すること
趣味:
つくりもの
自己紹介:
 自分ン家で好きなことやるのもマンネリですから、お外のお宅をお借りしてブログ小説をやっちゃいましょう(お外に出てもインドア派)。

 ※誕生日は、DNDDとして自分が本格的に稼働し始めた日って意味ですので、あしからず。

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