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きみを はかる じょうぎは ぼくに そぐわない

 本作品は書下ろしです。また、この作品はフィクションであり、実在する個人・地名・事件・団体等とは一切関係ありません。


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「坂田さん。怒って、ないんですか?」

「怒る?」

「あんなに、わたし、ひどいこと言って……」

 言いよどむ彼女に、紫乃こそ言いよどむ―――それでも、耳に残っているのは、上野の阿鼻叫喚よりも、昨晩の電話ごしの会話だった。

 だったなら、ばつがわるい表情で、ほほ笑むしかない。

「このまま病気を放っておくなら、怒るかもしれません」

「その場合は、叱るじゃないかなぁ。いや叱るけど。わたしから」

 と。

 急に割り込んできた社長が、紫乃の横へと並んだ。そこで、あとのせりふを続ける。

.
「上野君。今日はこのまま、朝イチで専門の病院に行きなさい。病院は確か八時半くらいから受付が開く筈だから、今からかかれば午前中には診察くらい終わるだろう。終わり次第、それを報告して。可能なようなら出社して。いいね?」

「はい、社長。ご配慮に、感謝します」

 上野が再三の礼を社長へと繰り返し、最後に紫乃へと双眸を定めた。そこに宿った眼差しは室内灯の明かりを帯びて輝いていたが、そこに体温を感じたのは、穏やかな希望があったこそだと―――そう、感じた。 

「坂田さん。本当に……本当に、ありがとう。そして、ありがとうございました」

 それを終えると、上野は颯爽と裏口を駆け抜けていく。ぱたんと閉じられた扉に、惰性のまま目を止めていると、社長が不意に紫乃へと振り向いてきた。

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プロフィール

HN:
DNDD(でぃーえぬでぃーでぃー)
年齢:
17
性別:
非公開
誕生日:
2007/09/09
職業:
自分のHP内に棲息すること
趣味:
つくりもの
自己紹介:
 自分ン家で好きなことやるのもマンネリですから、お外のお宅をお借りしてブログ小説をやっちゃいましょう(お外に出てもインドア派)。

 ※誕生日は、DNDDとして自分が本格的に稼働し始めた日って意味ですので、あしからず。

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