「―――はい」
「あ。もしもし、坂田です。こんばんは。麻祈さん」
「こんばんは。お久しぶりです」
「はい。麻祈さん、お元気でしたか?」
「もちろんです。そちらこそ、その後、お身体の調子は如何(いかが)ですか?」
「あ、はい。上野さんは、今も色々と効く薬を試してるみたいです。なにより、ちゃんと治療出来てるっていう安心感が大きいみたいで、最近は余裕もあるみたくて。正雇用にも移れたし、ばりばり働いてくれてるらしくって、営業部長が生き生きしてます」
「そうですか。それは良かった。それで?」
.
「そ、うぇ? それでって、あの、上野さんはイイ感じです。はい」
「ええ。それで、坂田さんは?」
「え。わたし!?」
「はい」
「あ、ごめんなさい気付かなくて。わたしなんか、いやもう、元気ですよ! 元気げんき! 麻祈さんこそ、どうですか? 葦呼は?」
「あはは。俺は、何事もなく。佐藤は、そうですね……まあ、いつも通りと申しましょうか。この間は、毛について駄弁りました」
「え!?」
―――以下、麻祈と、葦呼がらみの近況で盛り上がった。
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