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きみを はかる じょうぎは ぼくに そぐわない

 本作品は書下ろしです。また、この作品はフィクションであり、実在する個人・地名・事件・団体等とは一切関係ありません。


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.紫乃は口を開いた。迷いが詰まって言葉が出なかった。

 閉じようとした口を、もう一度開いた……詰まっている迷いを吐き出しすことなら、出来る気がしていた。

「あのさ。葦呼」

「うん?」

「こないだ、喫茶店の時」

「うん」

「葦呼が、最後、わたしと麻祈さんに『お似合いだ』って言ってたのを思い出して、」

「うん」

「あの時の葦呼が、その―――……我を忘れてる、みたいに見えて」

「……ふぅん」

「あのさ、―――」

 惑うまま、目線を葦呼に合わせる。反応を見たかった―――正しくは、反応するのか確かめたかった。変化するかを。

「葦呼にとって、わたしと麻祈さんって、そういう相手なの?」

「どーゆー相手?」

 葦呼は、やや首を傾げた。だけ。

 聞き返されても、説明に窮する。

「どういう、って……」

 まごついて言葉を手探りしながら、自分でもなにを探し当てたかったのかを見失う。もとより明確なビジョンがあって問いかけたのでもなかったから。

 そういう相手? 葦呼と紫乃は友人だ。葦呼と麻祈も、友人―――同僚兼趣味友だったか?―――らしい。そしてそういった言い分が外聞でなければ、合コンに差し出したりしなかろう。

 となると、尚更こんがらがってしまう。紫乃は眉を顰めた。

「じゃあ、なんで葦呼は、あんなに怒って、わたしと麻祈さんがお似合いだなんて言ったの?」

「あんたらがそっくりだから」

 ちんぷんかんぷんだ。

 としても、有耶無耶に承服するには無理がある話だ。抗弁する。

「全然そっくりじゃないよ」

「そっくりだよ」

「どこが?」

「自分ばっかりなとこ」

 抗弁しようにも、今度は咄嗟に論拠が出ない。

 その隙に、葦呼にせりふを継がれてしまう。

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プロフィール

HN:
DNDD(でぃーえぬでぃーでぃー)
年齢:
17
性別:
非公開
誕生日:
2007/09/09
職業:
自分のHP内に棲息すること
趣味:
つくりもの
自己紹介:
 自分ン家で好きなことやるのもマンネリですから、お外のお宅をお借りしてブログ小説をやっちゃいましょう(お外に出てもインドア派)。

 ※誕生日は、DNDDとして自分が本格的に稼働し始めた日って意味ですので、あしからず。

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