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きみを はかる じょうぎは ぼくに そぐわない

 本作品は書下ろしです。また、この作品はフィクションであり、実在する個人・地名・事件・団体等とは一切関係ありません。


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「……あんた、やっぱあの人に駅まで送ってもらったんだわ」

「ええ?」

 面食らって、紫乃の声が裏返った。

「そんなの困るよ。わたし、そりゃ、店から出て、あの人についてったけど。それは、駅までの細かい道順が不安だったからで、だからこそわたし、こそこそしてたし―――大通りにさえ出れたら、ひとりでそれからロータリーまでいける自信あったから、ちょっとそこまで目印になって欲しかっただけで。送ってもらうなんて、そんな、その人にだって予定あるのに、邪魔できないよ」

「だからわざわざその人、行き先が駅だなんて言ってくれたんでしょ」

「え? え?」

.
「駅まで送るって言ったら、いいですって断りそうだなって察したから、自分も駅に行くのが目的ですって表現に変えたんでしょ。ついでならってあんたも頼みやすくなるし。本音は隠したけど嘘はついてないから、あんたを騙したことにもならない」

「でも、」

「紫乃。あんた、その人と連れ立って歩いてて、その人から恩着せがましいこと言われた? ゴメンね歩くの早いかなぁ? とか。荷物持とうか? とか。足痛くない? とか」

 急に目先を変えられては、異論も反論も続けることが出来ない。つまりは、議論するために、問いに応じるしか。
紫乃はうめいた。

「い、言われてないけど」

「そーいうの尋ねてこないんだって、あんたは思いも寄らなかった?」

「うん」

「なんで?」

「なんでって……目的地が一緒なだけだし」

「そうとしか思えなかった?」

「だって。あのヒト本人がそう言うんだから。お姉ちゃんが言ったようなことも訊かれなかったし。ただ、じっと並んで歩いてきただけで」

「―――……うわ」

 露骨に、姉が身を引いた―――現実には、運転座席の枕めがけて背をそびやかした程度だったが。心持ち的には、恐らく、実妹の鈍さにドン引きした。

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プロフィール

HN:
DNDD(でぃーえぬでぃーでぃー)
年齢:
17
性別:
非公開
誕生日:
2007/09/09
職業:
自分のHP内に棲息すること
趣味:
つくりもの
自己紹介:
 自分ン家で好きなことやるのもマンネリですから、お外のお宅をお借りしてブログ小説をやっちゃいましょう(お外に出てもインドア派)。

 ※誕生日は、DNDDとして自分が本格的に稼働し始めた日って意味ですので、あしからず。

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