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きみを はかる じょうぎは ぼくに そぐわない

 本作品は書下ろしです。また、この作品はフィクションであり、実在する個人・地名・事件・団体等とは一切関係ありません。


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「最初にデートしてくれた時から分かってました。だから、先に分かっちゃったから。せんせーから気持ちを言ってくれるの待ってたんですけど、この人があたしと違ってメソメソした手でせんせーの優しさにつけ込もうってしてるって聞いたから……それで……我慢できなくって、―――」

 尻すぼみに散って消えゆく小杉の声色は、悲しんでいた。嘘っぱちかもしれない。嘘かどうかは分からない。

 見れば、坂田も椅子から立ちあがっていた。そうして、その場に立ち尽くしていた。なにも言わない。ただ、物言いたげな顔だとは言えたかもしれない。物欲しそうな顔かも分からない。

 分からないのだ。今までそうであったように、これからも麻祈は生粋ジャップではない。

 だが、分からずともよい。それらのどれとも、今からの“これ”とは関係が無い。

 麻祈は、口火を切った。その寸前に腰を折り、頭を下げた。

「申し訳ありません」

 そのまま、謝罪を繰り返す。

「俺が招いてしまった今現在の事態について、誠に申し訳なく思っています」

 上体を起こすと、坂田と小杉が絶句していた。ただし、その種類は、それぞれ違う。坂田はただただ成り行きについていけず呆けているが、小杉は期待に胸の内を席巻されて身動きが取れないといった体(てい)だ―――猫を思わせる大きな目が、猫科の肉食獣を連想させる眼光を帯びる。麻祈の横にいる佐藤が、冷静にそれらの観察を続けていた。麻祈もろとも、場の全体を。

 それを見て、引き返す気は失せた。意を決す。

「この際です。皆さんとの関係を、俺の口から、はっきりさせても宜しいでしょうか?」

「はい! お願い!」

 小杉の発破の音程が、過去と同じく、かん高い。

 麻祈は手を伸ばした。再び、佐藤へと。が、手をかけたのは、彼女の頭頂でなく顎下だ。角度と方向を最適位置に固定して、その唇に噛み付く。

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プロフィール

HN:
DNDD(でぃーえぬでぃーでぃー)
年齢:
17
性別:
非公開
誕生日:
2007/09/09
職業:
自分のHP内に棲息すること
趣味:
つくりもの
自己紹介:
 自分ン家で好きなことやるのもマンネリですから、お外のお宅をお借りしてブログ小説をやっちゃいましょう(お外に出てもインドア派)。

 ※誕生日は、DNDDとして自分が本格的に稼働し始めた日って意味ですので、あしからず。

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