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きみを はかる じょうぎは ぼくに そぐわない

 本作品は書下ろしです。また、この作品はフィクションであり、実在する個人・地名・事件・団体等とは一切関係ありません。


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.女性らが佐藤の目論見通りの配置に着席したのは、背後の物音やなんやで見ずとも知れた。ただ、全部が全部計画通りといったわけではなかったらしく、麻祈の真後ろについた佐藤の発言は目に見えて減っている。どうやら、安全弁の一助として期待していた人物の登場を待たず、火蓋が切られてしまったようだ。これからの火の海の航海を、どのような舵取りで乗り越えるのが最良か、必死に考えているのだろう。

 ただし、そういった海原の嵐が船長の判断を待つことが無いように、小杉の勢いも止まらなかった。なにやら滔々と、自分と麻祈の付き合いについて誇示し、尊大に喋る―――恫喝さえ混じる、その中で。

 聞こえてきたのは、坂田への嘲弄だった。

「手出ししたくなるのも分かるけどさぁ?」

 坂田への愚弄だった。

「あんたみたいなボッチいOLからしたら、」

 まぎれもない侮辱だった。のに―――

「玉の輿って奴だもんねぇ。有名医大の主席で帰国子女、名家生まれの将来有望イケメンドクターなんて」

(どうして、そうなる)

 麻祈は、渾身から、めげた。

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プロフィール

HN:
DNDD(でぃーえぬでぃーでぃー)
年齢:
17
性別:
非公開
誕生日:
2007/09/09
職業:
自分のHP内に棲息すること
趣味:
つくりもの
自己紹介:
 自分ン家で好きなことやるのもマンネリですから、お外のお宅をお借りしてブログ小説をやっちゃいましょう(お外に出てもインドア派)。

 ※誕生日は、DNDDとして自分が本格的に稼働し始めた日って意味ですので、あしからず。

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