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きみを はかる じょうぎは ぼくに そぐわない

 本作品は書下ろしです。また、この作品はフィクションであり、実在する個人・地名・事件・団体等とは一切関係ありません。


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「じゃあタメ口なのは? いつから?」

「帰国して最初にオタク会した時から」

「え? じゃあ一緒に帰国したっていう旅路ではどうだったの?」

「覚えてないよー。馴れ馴れしいってカチンときた思い出もないから、親しみやすい程度にお互いにオアイソしてたんでない? ちゅーか、職場の同僚女とフツーに旅行するだけじゃ、誰だってそんなもんでしょ」

「それはまぁ……そうかも知れないけど」

「勘繰られるこっちゃないよー。オタク会であいつがタメ口になったのだって、あたしに言い寄ってのことじゃなくて、これからオタク話しようってのに、同僚に慇懃な言葉遣い―――院内口調を続けるなんて、水差す以外のなんでもなかったからだけでしかないと思うよ。合コン前に電話したっしょ? 野郎は同業者以外と同業絡みの話なんてしたがらないだろうって。それだよ。仕事と私生活は分けたがるタイプ。あいつ、ごく稀に勤務時間内に勤務のことであたしと話す時は、ちゃんと一人称ワタシのデス・マス調だもん」

「同僚なのは―――同僚だからだよね?」

「疑問を挟む余地ないと思う。それ」

 じゃっかん呆れたように、葦呼。

 これだって呆れられるのかも分からないが、それでも躊躇いを隠しきれずもじもじと俯いて、紫乃は切り出した。

「……キ、スしても、平気なのは?」

「口なんて誰だってついてんだから、くっつく事だってあるでしょ。ただでさえとんがってんだし」

「よりによってそんな割り切り方!?」

 ショックのまま悲鳴を上げるのだが、葦呼はそれに引きずられるでもない。ぽんぽんと小気味よく返事を続けるだけだ。

「そりゃそうだよ。あたしがそう出来るから、あいつも暴挙が出来たんだろうし」

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プロフィール

HN:
DNDD(でぃーえぬでぃーでぃー)
年齢:
17
性別:
非公開
誕生日:
2007/09/09
職業:
自分のHP内に棲息すること
趣味:
つくりもの
自己紹介:
 自分ン家で好きなことやるのもマンネリですから、お外のお宅をお借りしてブログ小説をやっちゃいましょう(お外に出てもインドア派)。

 ※誕生日は、DNDDとして自分が本格的に稼働し始めた日って意味ですので、あしからず。

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