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きみを はかる じょうぎは ぼくに そぐわない

 本作品は書下ろしです。また、この作品はフィクションであり、実在する個人・地名・事件・団体等とは一切関係ありません。


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「ううん。ふたつみっつ奥にあるのを買う」

「どして?」

「どうしてって……手前のって、誰が触って棚に戻したか、分かったものじゃないし」

「袋入りだよ?」

「それでも、さぁ」

「だよね。だったら、誰かが目の前で触って、棚に戻したヤツは買える?」

「いやいや無理無理」

「それが日本人じゃなかったとしたら?」

「きっともっと無理」


「なんで?」

「いやあの……なんとなく、だけど」

「日本人がそうしたのよりバッチい気がする?」

「う……いや、そうじゃないとは、知ってるけど……」

「負い目に思うことじゃないよ。同族以外はとりあえずはじく。それは防御本能だから。しゃーない」

 テンポよく続いていくせりふを聞く紫乃は、それが葦呼らしくカスタマイズされた蘊蓄かなにかだろうと思い始めていた。日本人だの防衛本能だの、そんなものはテレビ画面の向こうにいる有名人が討議している議題なのだから、葦呼が持ち出すとしたらその延長線上の御託だろうと、都合良く解釈していた。

 その化けの皮が剥けて、本音がやってくる。

「でもその野菜の袋。麻祈なんだよね」

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プロフィール

HN:
DNDD(でぃーえぬでぃーでぃー)
年齢:
17
性別:
非公開
誕生日:
2007/09/09
職業:
自分のHP内に棲息すること
趣味:
つくりもの
自己紹介:
 自分ン家で好きなことやるのもマンネリですから、お外のお宅をお借りしてブログ小説をやっちゃいましょう(お外に出てもインドア派)。

 ※誕生日は、DNDDとして自分が本格的に稼働し始めた日って意味ですので、あしからず。

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