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きみを はかる じょうぎは ぼくに そぐわない

 本作品は書下ろしです。また、この作品はフィクションであり、実在する個人・地名・事件・団体等とは一切関係ありません。


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「俺のことは、別に構わなくていいですから。それより坂田さん、怪我とかしませんでした?」

「し、てません」

「ならよかった」

 ほっと吐きかけた呼気が、喉に詰まる。坂田が、今も息を呑んだままだったから。

 ただただ平身低頭するしかない。

「すみません。すみませんでした。ほんと。おっかしいなぁホント。見当識障害? たったの焼酎一杯で酔いどれ幻視(Pink elephants)がお出ましなんて、いっくら疲れてるにしても、俺のくせして、どうしてしまったんだか。トシですかねぇ。はは。あはは」

 やっとこさ、ぎくしゃくと坂田が口まわりを引き攣らせた。道化を憐れんでくれたように思えた。

 情けなく、それに縋って道化を続ける。うすら笑いをぼかした面の皮は、重ね張りするほど不自然になると分かってはいたが、そうすることで得られる安上がりな安心感を手放せなかった。

「帰りましょうか。そろそろ」

「はい……」

 暗闇の中で、俯く坂田。流れた黒髪に隠され、表情は分からない。

 それにつけこんでしまう。またしても。

「バスに乗るまで送らせてください」

 それから、だんまりしたまま、坂田と歩いた。

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プロフィール

HN:
DNDD(でぃーえぬでぃーでぃー)
年齢:
17
性別:
非公開
誕生日:
2007/09/09
職業:
自分のHP内に棲息すること
趣味:
つくりもの
自己紹介:
 自分ン家で好きなことやるのもマンネリですから、お外のお宅をお借りしてブログ小説をやっちゃいましょう(お外に出てもインドア派)。

 ※誕生日は、DNDDとして自分が本格的に稼働し始めた日って意味ですので、あしからず。

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