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きみを はかる じょうぎは ぼくに そぐわない

 本作品は書下ろしです。また、この作品はフィクションであり、実在する個人・地名・事件・団体等とは一切関係ありません。


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「君も次は、快気祝いで来れたらいいね」

「だね。ねえ、兄ちゃんの国じゃ、誕生日の時どうすんの?」

「もちろん、今日の君を祝う。最っ高(Cheerio!)、誕生日おめでとう(Happy birthday!)!」

「わー。ハッピーバースデーって、やっぱり日本じゃなくてもハッピーバースデーなんだ」

「何度でも今日のこの日を(Many happy returns!)! ―――なんてのもアリだけどね」

 そこで麻祈は、母親と目配せを交わした。恐らくはこの親子連れが、例の隣席の予約客なのだろう。長引かせる必要はないし、麻祈も坂田を待たせておけない。気になって、つい店の玄関を振り返る。

 坂田が立っていた。

(―――は?)

 豆鉄砲を食らった鳩と化して、坂田と見詰め合う。

 車椅子がスロープを登り終えてから玄関戸をくぐって行く間だけ、ドアを押さえようとした坂田が奥に引っ込んだので、それは途切れた。親子が店内に隠れてしまう直前、少年から片手をひらつかされる。

「ばいばーい」

(お別れの時もCheerioだったりするんだけどなー)

 そんなことを思ったりしてしまう自分に、場違いさを覚えながらも。

 最たる場違いは、レジ前にいるべき坂田だということだけは、疑いようがないところだ。彼女は母親から礼でも言われたようで、ぺこぺこお辞儀しあってから、恥ずかしそうに浮き足立ってこちらへと駆けてくる。なんで来る?

 近寄るにつれ、みるみる麻祈の機嫌の傾斜角が露見したようで、坂田は車椅子スロープの途中で立ち止まった。まだ話すには距離があるが、長いくらいでちょうど良いと思えたので、そのままつっけんどんに問いかける。

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プロフィール

HN:
DNDD(でぃーえぬでぃーでぃー)
年齢:
17
性別:
非公開
誕生日:
2007/09/09
職業:
自分のHP内に棲息すること
趣味:
つくりもの
自己紹介:
 自分ン家で好きなことやるのもマンネリですから、お外のお宅をお借りしてブログ小説をやっちゃいましょう(お外に出てもインドア派)。

 ※誕生日は、DNDDとして自分が本格的に稼働し始めた日って意味ですので、あしからず。

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