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きみを はかる じょうぎは ぼくに そぐわない

 本作品は書下ろしです。また、この作品はフィクションであり、実在する個人・地名・事件・団体等とは一切関係ありません。


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. 日曜日。現実味が無いのに、現実は続く。

 日が昇ると眼が覚めた。風邪を引いたように生活していたら、日が落ちたので、寝た。

 月曜日。火曜日。水曜日。いつも通りに出社する。現実味が無いから、現実を続けることができた。働いて、働き終えて、帰宅した。

 そして木曜日の夕方。昨日と同じように帰ると、昨日と違ってまだ姉も父もいなかった。暇を持て余していた母に言われるがまま、いつもの食卓の自分用の椅子に座らされて、体温計を脇に挟む。アラームがしたので取り出し、母に返した。

.
「平熱よねぇ」

 ほっぺたに手をあてて、母が眉をしょげさせた。

「食欲もなさそうだし」

「食べてるけど」

「食べてるだけでしょ。もう、この子は」

 と、紫乃の小声に耳聡く言い返し、ため息をつく。

「どうしたの? 悩み事でもあるの?」

「なやみごと」

 そんなものはない。三食摂れているし、働くことも出来ているし、こうして聞かれたことに答えている。今朝のニュースの占いで、自分が四位でラッキーアイテムがロリポップキャンディだったことも覚えていた。なんの問題も無い。だとしても、悩み事とやらを打ち明けなければ、母は娘を心配し続けるだろう。それは困る。だったら、悩み事を打ち明ける必要がある。

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プロフィール

HN:
DNDD(でぃーえぬでぃーでぃー)
年齢:
17
性別:
非公開
誕生日:
2007/09/09
職業:
自分のHP内に棲息すること
趣味:
つくりもの
自己紹介:
 自分ン家で好きなことやるのもマンネリですから、お外のお宅をお借りしてブログ小説をやっちゃいましょう(お外に出てもインドア派)。

 ※誕生日は、DNDDとして自分が本格的に稼働し始めた日って意味ですので、あしからず。

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