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きみを はかる じょうぎは ぼくに そぐわない

 本作品は書下ろしです。また、この作品はフィクションであり、実在する個人・地名・事件・団体等とは一切関係ありません。


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 一時救命処置(Basic Life Support:略して「 BLS 」)に用いられる機械が、自動体外式除細動器(Automated External Defibrillator:略して「 AED 」)だよー。

 一次救命処置は、医療職でもない一般人が、意識がない生き倒れに遭遇した際に、救急車にその人を引き継ぐまでの応急手当の手順を示したものなんだ。それを行うのに、専門的な知識・機器・薬剤なんかは要らないよ。ざっくばらんだけど具体的には、成人の場合、

生き倒れ発見
 →周囲の安全確認
 →応援要請&AEDの確保&緊急通報&意識・呼吸の確認
 →意識も呼吸も確認できない場合、心肺蘇生法(Cardio Pulmonary Resuscitation:略して「 CPR 」)を開始。
  AEDが到着したら、生き倒れに装着させてAEDの指示を待つ。ショックの指示が出たら、ショックを行う。


 「応援要請」は、野次馬も119番もコミコミ。119番に電話したら、どうしたらいいか助言をくれるよ。野次馬は、まあ……猫の手も借りたい状況なわけだから、「アンタ通報しな!」とかアゴで使えるだけ使えばいいよ。

 意識と呼吸があれば、回復体位(っていう寝相があんだけどね)にして、そのまま様子見でオーケイ。

 むかしの心肺蘇生法は、気道確保・人工呼吸・胸骨圧迫心臓マッサージのA・B・C(A:Airway B:Breathing C:Circulation)の三人組でやってたけど、今はとにかく胸骨圧迫心臓マッサージだけでいい。

 救急救命でなにより大切なのは、脳みそが酸欠になることを防ぐことなの。気道を確保して息を吹き込んでる暇があるなら、一拍でも多く・強く胸倉に一撃一撃を五センチ以上めり込ませて、アタマまで血を循環させる! 酸素は、無理やり吹き込むまでもなく、血中にたくさん溶け込んでるから―――それを、とにかく脳まで送る! まず間違いなく肋骨バキボキ折れるけど、死んだらそれまでだから。

 あおむけの相手の、おおまかに乳首と乳首の真ん中らへん。そこに右手の掌底(しょうてい)を当てて、左手もそれにかぶせて、垂直に体重をかけて遠慮なくメコッとやっちゃって! 速さは毎分100回以上! ぶっちゃけ、ポーニョポーニョポニョさかなの子♪ を上回るテンポ! メッチャ重労働!

 絶対に、テンポが落ちる前に、すかさず野次馬の誰かと交代してね! テンポが落ちると酸素の巡り具合がガタ落ちで、救命率が下がるから!

 つまり、すぐ交代できる野次馬、心マのテンポを見張ってくれる野次馬、胸骨が深々とめり込んでるかジャッジする野次馬、AEDを取りに行かせる野次馬……と、とにかく周囲に飛び火させるのが大切ってことだね。

 傍観者効果が邪魔をするかもしれないけど、―――そういう場に居合わせたら、「わたしは人を殺せる」ことを忘れないで。

 見殺しに出来る、それで済まされてしまう、傍観者のおそろしさを忘れないで。

 ……なんだか暗くなっちゃったけど、とにかく。一次救命処置は、対象が成人か乳幼児か・窒息があるかどうかなんかでも、かなり変わってくるから、詳しく知りたい人は講習を受けるなり、勉強するなりしてみてねー。
◇◆◇◆◇

続きまして、―――って企画らしいから、まあ俺も続けるけど……

 傍観者効果(英語的には バイスタンダー・エフェクト:bystander effect )ってのは、社会心理学における、集団心理のひとつを表した言葉だ。

 言ってみれば、事件を傍観している者が自分以外にも存在する場合、事件に対してこれからも傍観を決め込もうとしてしまう心理だな。

 この効果は傍観者数に比例して強まり―――て、ええと。平たく言うなら。傍観者の数が増えるほど、誰も救助しようとしなくなっちまうんだ。

 これは、以下の考えが、考えの賛同者(≒傍観者)の数が増すことで、強化されるからだと言われている。


・「今この時も誰もなにもしてねーし、だったら俺も今は何もしなくていいだろー」
  →多元的無知
・「誰も何もしてねーから、俺だっていいよなー。うん。皆そうだし。俺だけじゃないし」
  →責任分散
・「ってか、余計なことして馬鹿を見るのもマジ勘弁だから。まいっか」
  →評価懸念



 ……まあ、多勢に無勢っていう格言が出来るくらいだ。多勢(傍観者)から、無勢(救助者)側に寝返るのは、相当に大変なこったろうよ。事実、イジメなんて身近なものから、強姦・障害・轢き逃げ etc の死亡事件まで、こんな実証はありふれてるしな。

 重要なのは、こんな心理があるってことを知ることで、逆手に取れるってことだ。

 誰かが動けば、芋づる式に救命の連鎖を起こすことが可能なんだよ。傍観者効果の実験でも、ひとりが対処に動き出すと、ふたり三人って後に続くことが実証されてる。傍観者効果っていう存在を知ることで、傍観者効果から抜け出せるんだ。

 要は―――まあとりあえず自分の身の安全が確保できているようなら、「今オレが動かなくてもいいかなーって思っちゃってるのは傍観者心理のせいだからって理解してるオレだから動かないと!」って、逆手にとって起爆してみても損はないんじゃないか? 人助けが出来たらめっけもんだろうし、失敗したところで、どーせどいつもこいつも1ヶ月後にゃ忘れちまうよ。お前が かいた恥なんてさ。

 そんじゃま、今回はこんなところで。






【はみだしDNDDコラム】

 一次救命処置だけでなく、事件への初期対処と傍観者効果は、切り離せない関係にあります。

 その人を助ける役割として場から突出する損益が明確でなく、しかもその損益の還元先が明確でないから、そうなってしまうんでしょーね。

 それ自体は、良いも悪いもありません。むしろ良いとか悪いとか誰かから値札が付けられてしまうと、その値札狙いに行動する人の台頭を許してしまうことが予測されます(最悪の例を挙げるなら、意識不明の一般市民を一次救命処置にて救助した方には100万円って政府が公式発表したら、100万円欲しさにホームレスを襲撃しては救助するというマッチポンプが出るだろうってことで)。

 まー。良い悪いなんて、誰かに後で判断してもらえばいいんですよ。してって頼まなくても、こーいった事態になると、評論家のひとりふたり手品のように湧いて出てくるもんです。コトが済んだあとで、外野から。

 出来る・出来ない、も同様。出来ても出来なくても、「それみたことか俺は見抜いていたぜ」ってドヤ顔の後出しジャンケン野郎のひとりふたり、イリュージョンのように(以下略)。

 「誰かを助けるのに理由がいるかい?」……これは某ゲームで取り沙汰された名せりふですが、人助けをするのに理由を持ち込まないことこそ、現代人には難儀なことなのやも知れませんねー。

 ところでイリュージョンで思い出しましたが、ふなっしー(非公認ゆる野郎)のキャラクターは、設定から動向まで奔放さがインフィニティ(無限大)ですね。

 職場で教わるまで知らんかったです(どんな職場だ)。そりゃ非公認にせざるをえませんよねぇ市としても。あの設定じゃ。

 設定云々が気になる方は、ご自分で各種検索をどーぞ。

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プロフィール

HN:
DNDD(でぃーえぬでぃーでぃー)
年齢:
17
性別:
非公開
誕生日:
2007/09/09
職業:
自分のHP内に棲息すること
趣味:
つくりもの
自己紹介:
 自分ン家で好きなことやるのもマンネリですから、お外のお宅をお借りしてブログ小説をやっちゃいましょう(お外に出てもインドア派)。

 ※誕生日は、DNDDとして自分が本格的に稼働し始めた日って意味ですので、あしからず。

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