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きみを はかる じょうぎは ぼくに そぐわない

 本作品は書下ろしです。また、この作品はフィクションであり、実在する個人・地名・事件・団体等とは一切関係ありません。


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. それは辛かったですね。言われて、悟る。

(わたし、こんなに辛かったんだ)

 とても悲しかったですね。そう言われて、頷く。

(わたし、こんなにも悲しかったんだ)

 やれたこと。出来たこと。頑張ったこと。全部が全部を否定され、詰(なじ)られ貶(けな)され謗(そし)られて、辛くて悲しかったのだ。そして、実際にその通りだと思えてしまったちっぽけな自分自身が、虚しくてどうしようもなかったのだ。

.
「そう、感じてしまったんですね。そう感じてしまったことが、とても痛くて耐えられなかったんですね。それは、本当に、苦しく非道(ひど)かったことでしょう」

 そして、続ける。

「坂田さんは、坂田さんらしいだけで、それはちっぽけなこととは違うと、―――俺は思いますよ」

 泣いて、泣きながら喋って、すすり泣いて、喋るうちにまた泣いた。

 むせて、咳き込んで、洟もかんだ。麻祈には、それも聞かれたろうと思う。恥ずかしかった。腫れぼったい顔に、一層の紅潮を覚える。麻祈は、どんな顔をして紫乃の話を聞いているのだろうか? 声色は、訥々とだけ呟かれる。そればかりだったけれど。

 麻祈の声は上野について語る最後の時だけ、憶測を孕んだ危うさを警戒してか、呂律が一層に引き締められた。

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プロフィール

HN:
DNDD(でぃーえぬでぃーでぃー)
年齢:
17
性別:
非公開
誕生日:
2007/09/09
職業:
自分のHP内に棲息すること
趣味:
つくりもの
自己紹介:
 自分ン家で好きなことやるのもマンネリですから、お外のお宅をお借りしてブログ小説をやっちゃいましょう(お外に出てもインドア派)。

 ※誕生日は、DNDDとして自分が本格的に稼働し始めた日って意味ですので、あしからず。

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