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きみを はかる じょうぎは ぼくに そぐわない

 本作品は書下ろしです。また、この作品はフィクションであり、実在する個人・地名・事件・団体等とは一切関係ありません。


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. 危急の事態が発生し、かつそれに適応することが出来なかった場合、本当にそんな何事などなかったかのように―――あるいはその何事かなど難なくこなせたかのように―――過剰に今までの日常生活を遵守しようとする。それは、精神分析学ではありふれた、再適応までのメカニズムだ。麻祈へと通報せざるをえなかった出来事の直後だけに、なおのこと自分の中で容疑が固化してしまう。

 そうなると確かめずにおれず、であれば、やはり佐藤を問い質すしかない。坂田へのそれが杞憂に過ぎないとの証言を得んがために、麻祈は口を開いた。

.
「坂田さんのそれは、疲れたのを紛らわすカラ元気かもしれないって言ったよな。どうしてそう思った?」

「紫乃にはよくあることだから」

「よくあることなのか?」

 佐藤はあっさりと、立て続けに頷いた。

「そだよ。どしたのって聞いても、別になんでもないって一辺倒」

「そうなのか? 女ってそんな時、ちょっと聞いてよそれがさーってノリノリで叫び倒すんじゃないのか?」

「うーん。そーいうのも、ないわけじゃないけど。なんてーか、紫乃は親しい人に気を揉ませるのに気兼ねするタイプでさ。奥ゆかしいっての? 自分事で心配かけさせるの、嫌がるんだよね」

 聞いてしまえば、なおのこと看過できない。

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プロフィール

HN:
DNDD(でぃーえぬでぃーでぃー)
年齢:
17
性別:
非公開
誕生日:
2007/09/09
職業:
自分のHP内に棲息すること
趣味:
つくりもの
自己紹介:
 自分ン家で好きなことやるのもマンネリですから、お外のお宅をお借りしてブログ小説をやっちゃいましょう(お外に出てもインドア派)。

 ※誕生日は、DNDDとして自分が本格的に稼働し始めた日って意味ですので、あしからず。

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