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きみを はかる じょうぎは ぼくに そぐわない

 本作品は書下ろしです。また、この作品はフィクションであり、実在する個人・地名・事件・団体等とは一切関係ありません。


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「そんな、お門違いな。味覚と栄養学は抜本が異なる……俺にとっての優先順位もね。もちろん、両立しているに越したことはないとは思っていますよ。それで、それがどうかしました?」

 どうかしてしまったらしい。

 正面。素直に円くなっていただけの坂田の目玉が、黙考して、それを終えて、横長に伸びた。きりっと。意志を帯びて、決意を固めた目付きだと思えた。

(思い過ごしだ)

「麻祈さん」

 咄嗟に悪い予感から脱兎しかけたところに、釘を刺される。

 彼女の声は強かった。裏表なかったはずのものが、今は裏に隠すものを得て、表立って胸を張っている。つまりは、強くなった。

 逃げ出せたところで、逃げおおせれそうにない。やや引き腰で警戒しながら、返事をする。

「はい」

「わたしとの約束、忘れてましたよね?」

「ええあの、それは重々―――申し訳なく」

「でしたら、わたしも今日の予定を狂わせていいですか?」

「は?」

「わたしが今日の夕飯を作ります!」

 麻祈に向かって、言い切る坂田。

 そう―――瞳に闘志、眉に気力、怒らせた肩には漲るやる気。それはさながら、宣戦布告だ。ファンファーレが無いのが玉に傷と思えるくらい、サマになっている。非のうちどころが無い。今この時に、目の前で……今この時に? 目の前で?

(勘弁してくださーい)

 麻祈は絶望した。

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プロフィール

HN:
DNDD(でぃーえぬでぃーでぃー)
年齢:
17
性別:
非公開
誕生日:
2007/09/09
職業:
自分のHP内に棲息すること
趣味:
つくりもの
自己紹介:
 自分ン家で好きなことやるのもマンネリですから、お外のお宅をお借りしてブログ小説をやっちゃいましょう(お外に出てもインドア派)。

 ※誕生日は、DNDDとして自分が本格的に稼働し始めた日って意味ですので、あしからず。

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